アラビア語放送通訳のストラテジーとその手法に関する考察

NHK 衛星放送の二カ国語放送に関しては,これまで様々な側面からの研究がなされている が,アルジャジーラを始めとするアラビア語による衛星チャンネルの二カ国語放送とその通訳 プロセスについては一切考察が行われていないのが現状である。そこで本研究の第1の目的 は,従来のアラビア語放送とその通訳の研究においてほとんど分析されていない「アラビア語 放送の日本語通訳」は,どのようなストラテジーによって訳されているかを明確にすることで ある。また,第2の目的はアラビア語放送通訳において,通訳・翻訳法とその困難さにどんな 原則またはどんな特徴が働いているかを確定することにある。このため,放送通訳(時差通 訳)に従事する現役の複数のアラビア語通訳者(9名)にアンケート調査を行うことにしてこ れらの目的を達成するために次の課題を取り上げる。ア日語による時差通訳の意義及び,情報 の補足や音声表現など時差通訳者に求められる技法とその翻訳過程である。また,その変換プ ロセスに伴う,両言語の表現における「明示化」または「凝縮化」の翻訳手法について,ア日 語の言語体系の相違によって⑴必然的に起こる場合と,⑵言語の組み合わせにかかわらず起こ る場合の一部を検証していく。

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